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中国のソリューション事業「トップ10」目指す--国嶋矩彦・NEC執行役員常務
                                      2006-02-07

----ソリューション(システム構築)事業に力を入れている

IT(情報技術)を駆使して顧客が求めるシステムを提供している。スーパーのPOS(販売時点情報管理)システムや、自動車メーカーの製造管理システムを思い浮かべて欲しい。流通システムや製造システムに強みがあり、現地に進出した日系企業とのパイプも太い。

 今後は得意領域を広げたい。特に「政府・公共機関」「電力」「金融」の3つをチャレンジ分野として位置づけている。大型案件を獲得するために、地場企業とも提携する。先行するIBMに追いつくには時間がかかるだろうが、2007年度までにはトップ10の地位を固める。

----中国の現地法人は、日本のソフトウエア開発案件の獲得にも取り組んでいる

 NECソリューションズ中国は、いわゆる「オフショア開発」の窓口も兼ねる。人件費の高い日本での開発案件の一部を引き受け、顧客のコスト削減要望に応えるというビジネスモデルだ。ただ中国には何千社ものSI(システムインテグレーター)業者が存在するため、価格競争は激しい。

 それでも中国へのオフショア開発案件は今後も増える。発注先とのコミュニケーションを密にするため、NECソリューションズ中国は今年1月、東京に支店を設けた。価格以外の付加価値を高め、受注を増やしていきたい。

----携帯電話事業では中国戦略を見直したと聞く

 昨年まではとにかく売上高を伸ばす戦略だった。投資を重ね、市場シェアは3%程度まで高めることができた。

 しかし中国では、NECが得意とする第3世代(3G)携帯電話のサービス開始が先送りされている。中国のデザインハウスを活用して、2.5世代(2.5G)の端末にも力を入れたが、コスト削減や新機種投入で攻勢をかける世界企業に押され、苦戦が続いている。今年は全方位展開をやめる。ハイエンドの高付加価値機種に絞り込み、利益優先を鮮明にしたい。

----企業向けIP(インターネット・プロトコル)電話関連サービスも始める

 日本で力を入れている、IP電話を利用した業務用通信システムを、中国でも提供すべく準備を進めている。これまでIP電話関連のサービスに関しては規制があり、なかなかビジネスにならなかったが、中国でもコールセンターや、顧客情報管理(CRM)関連システムが非常に伸びており、IP電話活用のニーズは高まっている。

----中国での売上高の現状と目標は

 ソリューションと携帯電話、それに半導体関連を加えたものが3本柱だ。社内向けの部品などの生産拠点も多く、単純合算すると2005年度の中国での売上高は31億ドルとなる。ただ社内取引を除くと10億ドルほどだ。今後も20?30%の伸びを期待している。

----中国企業とのM&A(企業の合併・買収)はありうるか

 自社の事業を中国の企業に売却するといったことはないだろう。逆に中国企業の買収や共同出資によるビジネス拡大は今後増えていく。特にシステム開発の分野においては、中国企業への足場を固めるため、地元企業との提携は欠かせない。人材育成という観点からも、ゼロから自前で育てるよりは、地元企業の人材を活用することを考えてきたい。

 (聞き手は村尾龍雄・弁護士法人キャスト糸賀代表)

<記者の目>

「ソリューション、携帯電話、半導体。中国市場は3つの柱で開拓する」

 国嶋さんは、知的で落ち着いた雰囲気。数字にも精通しており、インタビューでの受け答えは説得力に満ちていた。ただ、NECの全社的な経営状況を見渡すと、少し違った側面が見えてくる。

 ここ数年、NECは「選択と集中」に努めてきた。レーザープリンター、プラズマディスプレー、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)──。不採算事業を切り離し、危機的だった財務を立て直した。一時、8%台だった株主資本は20%台まで回復している。

 ところが、コインに表裏があるように、切り離しを進めた結果、急成長が期待できるビジネスも見当たらなくなった。中国市場は「3本柱で開拓する」のではなく、「3本柱で開拓するしかない」というのが正直なところだ。しかも3本柱のうち、携帯電話事業は中国の在庫処理に直面して赤字。半導体事業も世界企業の巨額投資にかすんでしまっている。

 結局、ソリューションの一本足打法に迫られているが、中国市場の開拓は一筋縄ではいかない。国嶋さんも「ATMシステムが作動しなくても、『また来ればよい』で済んでしまう雰囲気。ソリューション事業が爆発的に広がるには、もうしばらく時間がかかる」と認めている。

 一方で、最先端のシステムが評価されるケースもある。上海のデパートで実験したICタグを使った顧客管理システムは実際に納品に結びついた。上海で蓄積したノウハウをもとに、同様のシステムを日本で商品化するという「逆輸入」現象も起きている。

 NECを成長軌道に乗せる「ソリューション」。それは中国での成功事例を地道に積み重ねることから始まる。(NIKKEI NET ニュース編成部 重森泰平)

 

 

 

 


 

 

 
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