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??ライバルに先駆け「オフショア」運用事業もスタート
大手ソリューション・プロバイダーがひしめく中国市場で先行するNECSLは、POSシステムや、メーカー(自動車含む)の製造管理システム、流通システムの得意分野で基盤を固めるとともに、「オフショア運用」など意欲的に事業拡大に取り組む。「ソリューション・プロバイダー・ベスト10は射程内」と意気込みを語るNECソリューションズ(中国)の中丸信和氏と大内山正夫氏)の二氏に今後の展望を語って頂いた。
??今年は創立十周年ですね
九六年に設立していますから、ちょうど一〇年目を迎えました。
現在の目標は、二〇〇七年度に中国システム・インテグレーターのトップ10入りすることです。
NECSLはソリューション事業と、IT・NWプラットフォーム事業、量販事業、ソフトウェア開発事業を四本柱としたトータルIT・NWソリューションカンパニーです。現在の売上は一二・三億元(約一七〇億円)、トップ10入りするための目標額が二三億元ですから、並大抵のことでは実現できません。このため〇四年度からは三五%成長を目指し、これまでクリアしてきました。
特に力を入れているのがソリューション事業で、伸びも順調です。この一〇年でサービスメニューも充実してきました。日系企業のクライアントへの強みとして、製造・プロセス、流通などの業種に特化したサービスのメニュー化を進めています。
生産管理では一〇〇社ほど、流通小売でも創立当初から日系スーパーマーケットを、また一昨年からは日系コンビニエンスストアのマルチメディアPOSシステムのサポートをしています。
??今回はアウトソーシング事業の拡大ということですが
アウトソーシング事業はソリューション事業の一環として、九九年ごろから展開してきました。クライアントが抱える情報システム部門の課題、日本では高コスト、人材不足、リスク分散、中国では人員の育成や確保、セキュリティ、言葉の壁などを肩代わりし、システムの運用・管理サポートを行ってゆくというものです。
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具体的な案件の一つは、日系自動車メーカーの販売システムサポートです。全国のディーラーをつなぐ販売システムについて、ソフト開発、サポート、運用からヘルプデスクまで、さらにアプリケーションの改善、新規開発も行っています。
当初このシステムは、「中国は広い」ということから始まりました。また戦略として情報を集約したいというクライアントの意向もあり、販売店にはインターネットにつながるパソコンだけ置くことにしたのです。日本ではC/S型でディーラーにサーバーを置きパソコンを何台かつなぐことが一般的ですから、当時としては画期的なしくみだったと思います。
当然、課題となるのは、障害が起きた際の対処です。多くのクライアントが不安を抱えるこのテーマに対して、私たちは様々な経験を積むことで万全な体制をつくりあげてきました。
もう一つの案件は、VPNネットワークの構築と監視サービスです。VPNは公衆回線を専用線のように利用するサービスで、専用線を引くよりもコストを削減できます。中国事業を面で展開する場合のネットワークづくりに活かせます。このVPN構築にあたり、キャリアへの申請から構築後のトラブル解消などについてサポートを行っています。
以上が従来のサービスですが、これらの経験を踏まえ、このたびNEC社内システムの中国での運用を開始しました。
??日本企業としては初めてのオフショア運営になるそうですね
NECでは他社に先駆け、〇五年一二月から自社基幹システムの一部を中国で運用しています。目的は社内情報システムを低コストで運用することと、中国でのオフショア・アウトソーシングビジネスの経験を積むことです。 現在は提携先の中国のデータセンターに日本のエンドユーザーにつながるマシンを設置、NECSLで運用、システム管理を行っています。その結果、約三〇%のコスト削減を実現しました。今後は他の基幹システムも中国への移行を進め、〇八年には年間の運用コストを六億円削減する計画です。
このように従来からのアウトソーシング事業に、新たなオフシュア運用経験を踏まえ、NECSLではアウトソーシング事業を拡大してゆく方針です。 現在、中国では多くの日系企業が生産拠点を構えています。同じ企業グループにあっても、バラバラに何十社という規模で進出してきているのが現状です。
しかしWTO加盟以降、中国は生産工場から市場へと変わりつつあり、日系企業の統合が始まっています。そうなると、生産から販売まですべてを統合したシステムを構築しなければなりません。規模の拡大、二四時間営業などのグレードアップを行った場合、人材の確保・育成、セキュリティといった各方面において問題が生じ、運用が難しくなることも想定されます。
NECSLでは、クライアントの方々の「IT部門」として、小規模なものから大規模なもの、業務の開発から運用までクライアントに密着したパートナー型のフルアウトソーシングを提供してゆきます。また、これに伴い、中国キャリアとも連携し、キャリアのデータセンター資源を活用、セキュリティ、通信、防災など万全な環境の提供を行います。
また、これに伴い、中国キャリアとも連携し、キャリアのデータセンター資源を活用、セキュリティ、通信、防災など万全な環境の提供を行います。
今後五年ほどで、日本のシステム運用の多くが中国で行われるようになると言われています。(※) NECの基幹システムの中国での運用はこれに先駆けたものです。中国で事業展開する日本のクライアントからのニーズに応え、きめの細かいサービスを提供してゆきたいと考えています。
??当面は中国国内をターゲットとした運用システム、さらにその先を見据えたオフシュア運営という展開になるでしょうか
コスト競争では地場企業にはまともに対抗できないのですから、生き延びていくには強みのあるソリューションを持たないとダメだと思っています。中国のシステム・インテグレーターが同じようなサービスを開始した場合、コスト競争ではなかなか勝てません。常に一歩リードしたソリューションを構築してゆくこと、それを先行してクライアントに認めていただき、かつ対価を回収することが必要です。このためにアウトソーシング事業の拡大を打ち出しました。
今後は中国に限らずグローバルで事業を展開するお客様に対しても、同様のサービスを行ってゆければと考えています。そして、NECといえばITアウトソーシングというブランドを構築することが、我々の大きな目標です。
(取材:田中奈美)
(*)野村総合研究所(NRI)によれば、二〇〇四年の中国オフショア開発/運用の市場規模は一五八〇億円。〇八年には
六九四〇億円まで成長するという。 「運用のアウトソーシング」のニーズは増大し、オフショア開発・運用の市場規模の比率も、〇八年には後者が三三%を占めると予想される。
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