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NEC 市場開発推進本部 本部長 塩川正二

■日系企業はCRMが遅れている!?
巨大市場への進出を目指して、各国企業が中国に乗り出しています。日系企業も例外ではなく、日ごと中国進出企業の記事が新聞をにぎわせており、それに伴ってここ数年、日系企業でもCRMへの真剣な取り組みが始まっています。
ただ、欧米企業に比べると、日系企業はCRMへの取り組みが遅れているのではないでしょうか。GreaterChinaCRMが主催する「Best
CRM Pracrtice In
China2004」での受賞企業を見ると、17業種トップ3社の企業に欧米企業と中国企業が半々選出されていますが、日系企業はSONY中国、鄭州東風日産の2社が受賞しているのみでした。欧米企業から見れば、中国をアジア戦略の最重要拠点として、中国にアジア統合コールセンターを集約するなど欧米で実践したCRMシステムをいち早く導入し、その展開を図っています。
中国の消費市場において欧米企業や中国企業に競り勝つためには、日系企業も中国の消費者をしっかり理解し、CRM戦略を積極的に推進していくべきと考えています。
■中国文化にはCRMが浸透しやすい
中国では、製品販売後のアフターサービスが重要視されており、日本では考えられないような激しいサービス合戦が展開されています。こうした背景には、中国の伝統的な政治や文化、さらには中国人の行動が関係していると考えられます。
一つめは、中国は人情やコネがまかり通る「人治国家」と言われる点です。人と人との絆が生活の基本であり、人のつながり(人脈)なしにはビジネスは成り立ちません。二つめは、酒宴に代表される「おもてなし」であり、中国の接待や贈り物などは日本の比ではありません。三つめは、中国人が最も大切にする「面子」の影響です。家電製品や車などを同じ生活水準の人が持っていれば、自分もそれ以上の商品を手に入れたいと望む消費行動が働きます。さらに、生活の中に「口コミ」のネットワークが根付いているので、良い商品は、口コミにのって売れるようになります。
こうした中国人の行動は、CRMの考え方を人的に実践していることに他ならず、中国市場に食い込むためには、こうした消費者特性を意識したサービス提供が重要になります。
■いまがCRM取り組みへのチャンス
これまで日系企業のサービスビジネス拡大は制度面から制限されていましたが、中国のWTO加盟以来、サービス開放の規制緩和が進みチャンスが広がっています。
また、CRMの導入を一から始められることは、新規に顧客情報を管理し、データベースマーケティングを実践することができます。中国は日本ほど個人情報保護にシビアではないため、個人情報の収集は比較的容易であり、有益な顧客情報を蓄積することができます。こうした顧客情報をしっかりと評価、分析することにより、新しいサービス創出や有効な販売施策につなげることができます。今こそ日系企業はCRMに対して真剣に取り組む時機に来ているのではないでしょうか。
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